カルーゼル・ルーブル展示会

パリ、ルーブルでの展示会に出展し、以下の記事が日経新聞に掲載されました。 louvre-pyramid-night 日経新聞 2012/11/27

子供時代の思い出が染み込む物といえばランドセルだろう。玄関に放り投げたまま遊びに飛び出た日々がある。いじめられて、自分の体よりも大事に守った記憶もある。6年間で一心同体となり、うっかり人のものを背負った時など、驚くほどの違和感が走ったものだ。

 

▼百貨店の入学用品の売り場は、いまが盛況。もちろん花形はランドセルだ。形は同じでも、赤や黒だけでなく、刺しゅう入りやキラキラ模様の個性派もある。呼び名の源はオランダ語の「ランセル(背嚢(はいのう))」らしいが、小学生のために考え抜かれた日本独特のデザインは、欧米にも例がない。ランドセルは日本文化である。

 

▼来週パリのルーヴル美術館で開く手工業品の展覧会に、その日本のランドセルが並ぶ。老舗メーカーの池田地球が「日本の技と美意識を伝えたい」と、伝統の能装束などと一緒に出展することになった。欧州の通学用かばんは布製のリュックサック型が多いから、パリの市民は見たこともない形に目を奪われるに違いない。

 

▼国際協力団体のジョイセフは、日本各地で集めた中古のランドセルをアフガニスタンに贈っている。その数は合計10万個を超えた。元が丈夫だから中古でもピカピカに見える。日本の小学生の思い出を引き継ぎ、現地の子供たちが得意げに学校に通っているそうだ。日本人自身が気づいていない日本の姿が、世界にはある。

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